〒520-2153
滋賀県大津市一里山2丁目2-5 山中テナント1階
TEL:077-547-1300 / FAX:077-547-1301


クエスト不動産ブログ / Quest Blog.

弊社ブログ、社員ブログを更新公開しております

コロナワクチンの早期開発が難しい理由

2020/11/17

~~

 -AERA dot- 2020年10月29日記事

『コロナワクチンの早期開発が難しい理由 開発で大事な4つのポイントとは?〈週刊朝日〉』

https://news.yahoo.co.jp/articles/f749e83dad926c25299d03af94d939c309bbe9d0  >



欧州に押し寄せた新型コロナの第2波で、フランスでは10月22日、1日当たりの感染者数が初めて4万人を超えた。イタリアでも10月中旬以降、感染者が連日1万人を超えている。

日本でも冬の流行期が迫る。医療崩壊を防ぎ、経済活動を継続させるためにも、ワクチンの早期開発を望む声が高まっている。


現在、日本政府は、英アストラゼネカと米ファイザーがワクチン開発に成功した場合、それぞれ1億2千万回分の供給を受けることで基本合意している。

アストラゼネカが開発しているのは、ウイルスベクターワクチンと呼ばれるものだ。他の無毒なウイルスに新型コロナの遺伝情報を忍び込ませ、ベクター(運び屋)にして体内に運ばせる。だが、初期試験でワクチン接種に伴う発熱、筋肉痛、全身の倦怠(けんたい)感など副反応が起こる頻度が高いと指摘されてきた。このため、最終段階の数万人規模で行う第3相試験では、抗炎症解熱剤を使用しているという。


医療ガバナンス研究所理事長の上(かみ)昌広医師が説明する。

「6時間おきに解熱剤のアセトアミノフェンを1グラム服用することになっており、1日の投与量は4グラムにもなります。通常の処方では1回に0.5グラムなのでちょっと異常な量です。解熱剤を4グラムも使わなければ炎症を抑えられないとすれば、高齢者に接種するのは厳しい」

薬を必要以上に飲むと、腹痛や、肝臓への障害が起きかねない。

9月初旬には、英国での治験で被験者の1人に有害事象が起き、中断を余儀なくされた。脊髄(せきずい)に炎症が生じる横断性脊髄炎と見られるが、英国の規制当局はワクチン接種との関係を結論付ける確証はないとして、治験は再開されている。

ファイザーが手掛けるワクチンも世界で最も先行している一つで、核酸ワクチンという。たんぱく質をつくる役割がある「メッセンジャー(m)RNA」を投与して免疫をつくる技術だ。だが上医師によれば、この最先端のワクチンにも難点があるという。

「核酸ワクチンは安価で早く作れるのが長所ですが、mRNAは不安定で壊れやすいという問題があります。このため、マイナス60~80度で凍結保存する必要があるというのです。インフルエンザのワクチンは4度で保管できるので冷蔵庫でいい。けれども、マイナス80度の保管室など一般の診療所にはないから、身近なクリニックでワクチン接種が受けられないことになります」

そもそもウイルスの遺伝情報を利用した、mRNAやDNAワクチンは、これまで人体用に承認された前例がなく、受ける側も慎重にならざるを得ない。

「米モデルナが開発中のワクチンもmRNAですが、同社の関係者は『新しいワクチンは何を起こすかわからないから、しばらくは打たない』と話していました」(上医師)

それでも新型のワクチン開発に着手せざるを得ないのは、従来型のワクチンでは早急な実用化が難しいからだ。

従来型のワクチンには、生きたウイルスの毒性を弱めて体内に入れる「生ワクチン」と、感染力を失わせたウイルスを使う「不活化ワクチン」がある。インフルエンザには不活化ワクチンが使われている。ウイルスそのものを使うので、ウイルスを大量に培養するのに長い時間がかかり、感染を防ぐための厳重な施設も必要になる。


日本では塩野義製薬が組み換えタンパクワクチン、第一三共がmRNAワクチン、アンジェスがDNAワクチンと、それぞれ開発に取り組んでいる。だが、アンジェスは初期試験段階で、塩野義製薬と第一三共にいたっては試験にも入っておらず、世界の後塵(こうじん)を拝している状態だ。製薬会社関係者がこう語る。

「世界のワクチン市場で厳然たる力を誇っているのは米ファイザーとメルク、仏サノフィ、英グラクソ・スミスクラインなどです。これらメガファーマから見れば、塩野義や第一三共は小規模ファーマでしかありません。薬の開発はできますが、ワクチンのように数万人単位の大規模な第3相試験を行うには相当な企業体力が必要ですから、日本企業には難しいのです」

世界保健機関(WHO)によると現在、世界で開発中のワクチンは約200種。うち臨床試験に入っているのが40種を超え、第3相試験に進んでいるのは9種ある。通常、ワクチンの開発には10年単位の時間を要する。過去最短のおたふく風邪でも実用化に4年かかっている。新型コロナワクチンの開発は異例のスピードで進められていることがわかる。


拙速な開発に懸念を示す、大阪大学免疫学フロンティア研究センター招聘(しょうへい)教授の宮坂昌之医師は、ワクチン開発で大事なこととして、(1)安全性に問題はないか(2)感染を予防できるか(3)病気にかかっても重症化を予防できるか(4)かえって感染を悪化させないか、の4点を挙げる。

「ワクチン接種は必ずしも良い結果だけをもたらすとは限らず、さまざまな副反応が起きることもあり、さらには感染症を悪化させてしまうケースもあるのです。早く開発されることは望ましいのですが、本来、ワクチンの有効性と安全性を確実な形で確認するにはもっと時間がかかるものなのです。特にワクチンは健康な人に打つから、治療薬よりもシビアに判定しないと後で大変なことが起きかねないのです」

※週刊朝日  2020年11月6日号より抜粋


~~


記事の中で、ワクチン開発関係者が『新しいワクチンは何を起こすかわからないから、しばらくは打たない』とあります。

これが、ワクチン開発の難しさや時間が掛かる事を一言で表しているフレーズです。

副反応を調べるには、通常5年~10年かかります。

動物実験を人間でするのは、どうなのでしょうか?



クエスト不動産経営管理 株式会社


Copyright(c) 2016 QuestPropertyManagement All Rights Reserved.