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日本のコロナ対策がここまでグダグダになった理由⑤

2020/09/08

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 -FINDERS- 2020年9月2日記事

『「人々の不安を煽るワイドショー」は変われるのか。西田亮介が「コロナ危機」の政府・行政・メディアを振り返る【後編】』

https://finders.me/articles.php?id=2234  >


「政府の話は全部信用できない」というムードは変えられるのか

―― 本書では「厚労省のTwitterアカウントがワイドショーに反論するツイートを投稿」の話題がありましたが、その内容には事実誤認に近い部分もあり批判が殺到したため、継続されませんでした。個人的にはその試み自体は良いことだと思っていて、それこそイソジン会見みたいなものに全力で反論していたら高く評価されていたはずですよね。


西田:でもそれはやっていないんですよね(苦笑)。

―― それをやらず、なぜ一連のツイートが容易に反論できてしまうような脇の甘さを見せてしまったのかが疑問だったんです。官僚は「批判されにくいロジック」を考えるのが得意な集団だと思っていました。

西田:具体的な理由はわかりませんが、例えばWHOによる、インフォデミック対策のために立ち上げられた情報発信組織「EPI-WIN(伝染病情報ネットワーク)」の方針に「I-S-A-Q」というものがあって、そこでは

・Identify(明確化)
・Simple(簡素化)
・Amplify(拡散)
・Quantify(定量化)

の4要素が重要とされています。


ワイドショーの物言いにはおかしいもの、過剰に不安を掻き立てることが多く、しかも影響力が大きいわけです。なので厚労省は「WHOもインフォデミックは問題だと言っているし、反論する必要がある」と思ったんだと思います。ただ反論側が間違っているのは論外なわけですし、そういうものを目にした時に人々がどういう反応するかということを考えていなかったと評価せざるを得ません。この後もコロナ関連のおかしな言説は数多く流通しているのに、厚労省に限らずSNSを通じた反論は行われていません。信頼されない団体がたとえ真実を言っていたとしても信頼されにくい。これは厚労省以外も同じ状況に立たされているんだと思います。

リスクコミュニケーションは蓄積された信頼感に基づいて機能するところがあるので、「政府はウソをついている」「情報を隠している」と思う人がたくさんいると、本当のことを言っても信用されない。為す術がないんだと思います。個人的には専門家会議や尾身茂先生は大変信頼できると思っていますけど、一定数の人が「尾身は御用学者だ」と思っている。一旦そう思われてしまうと、これを払拭するのは相当困難だと思います。

ここから何か変わる方法があるとすれば、「専門家会議や尾身先生の評価は一定程度妥当だったが、政府判断が間違っていた」ということを、一定程度信頼できるメディアがいろんなかたちで言うということだと思いますが、すでに朝日新聞なども「専門家会議も結構信頼できない」みたいなことを書くようになっちゃっていますよね。「専門家は自身の役割を自覚して専門的な提言に留めるべきだ」っていうタイプの言説はSNSだけではなく新聞報道にも出ています。そして、もしかするとその評価こそが正しいかもしれないですし、まだ最終的にどうかということは誰にもわかりません。


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⑥に続く



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