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アビガンを使って退院をされた赤江珠緒さんの報告

2020/05/15

新型コロナウイルスに感染し、6日に退院を発表したフリーアナウンサー赤江珠緒さんがの5月12日放送TBSラジオ「荻上チキ・Session-22」へのメール報告の内容です。

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先日まで、患者として入院生活をおくっており、やはり自分が罹っている分、コロナに関する情報には特に興味があり、テレビやラジオをよく見聞きしておりました。そんな中、今回のコロナに関しては、普段より患者と向き合う臨床医の先生の声があまり世に出ていないなと、感じていました。私は、今は報道の仕事をしていませんが、放送局の現状を鑑みるに、情報を集める記者自身もテレワークや自宅待機を強いられたり、患者は隔離で近づけない状況にあったり、医療現場もそもそも激務だったりと、今回の病独特の要因が重なってしまった結果なんだろうかと思っておりました。しかしお話を伺っていると、原因はそれだけではなさそうなんです。

今回コロナが最初に「指定感染症」に認定された事で、医療機関の間で、感染症指定医療機関とそうでない医療機関という区別が生じてしまったそうです。これは結核が流行っていた頃にさかのぼり、感染症の指定病院が当時日本に数多く誕生したものの、結核が収まりをみせる歴史の中で、感染症指定病院自体が整理され、今は極めて少ない状況になっていたという状況が前提にあります。当然その極めて少ない感染症指定病院だけでは、この事態が補える訳もなく、その他に、感染症協力病院、それ以外の病院という風に区分されました。さらにワクチンがないため代行薬を治療に使わなければならず、そのためには研究対象病院に手を挙げたところのみ使用できるという事態も重なり、治療内容がそれぞれの病院の置かれた状況でかなり違うという結果となったようです。

そうして病院が様々に枠づけられ複雑化し、医療従事者同士が、治療法を話し合うという状況も生まれ辛く、コロナの治療に関しては、学会に報告をあげるなどはされているものの、実際には先生方の個々の人脈の中で、情報をやり取りして対処しているのが現状だそうです。つまり病院によってお互いにどういう治療をしているのか、どこに行けばどんな治療ができるのかなどは、公には明らかになっておらず、いまだコロナに対する日本の医療体制は、全国的にかなりムラがあるというのが実態のようです。ですので、報道の方があちこちで取材を重ねても、なかなか治療の全容が見えてこないようなのです。

しかし、逆に患者になると、未知の病という事で、薬には同意書が必要だったり、経過観察のために、熱や、血中の酸素飽和度を定期的に測ってもらったりと、臨床医の先生のお話を伺うタイミングが、実は多いです。そしてその中で伺うお話の多くが、ほとんど、私にとっては初耳でした。

一方、担当医の先生方はというと、病気や治療法について、世間的に誤解されている部分もあり、正しい理解が広がってほしい、そして何より今回の情報の風通しを良くしたいという思いを、強くお持ちでした。そこで、医療素人の私が発信するのは僭越だという事は、重々承知の上、私が自分の治療を続ける中で知り得た情報をご報告致します。


例えば、少しイメージが誤解されて世の中に伝わっているのでは?と、担当医の先生が感じているのが、アビガンの副作用についてです。

「一度服用したら、一生催奇形性(胎児に奇形が起こる危険性)のリスクがある。」というように、これから子供を作ろうとする若者には、使用できない。というイメージが世の中に割と広がっていますが、製薬会社によると、アビガンは、薬を飲んだ後、1週間は性交渉を避けましょう。という薬です。

副作用の事も考えて、妊婦さんは服用できない薬ですが、それ以外の方は、投薬ですので当然、数週間で女性も男性も薬は体から徐々に抜けていくそうです。

私自身も誤解していましたが、「さすがに、一生催奇性になるようなものだったら、そもそも新型インフルエンザで認可がおりないですよ。」と先生はおっしゃっていました。

今回認可がおりたアメリカのレムデシビルよりも、もともと新型インフルエンザの薬として認可され市場に出ていた薬なので、そのお話はなるほどと思ったものです。

勿論、薬というものの有効性の確認には、十分な臨床試験や治験が必要です。
今回は特例で5月中の承認を目指すという話も出てきてはいるようですが、通常通りですと1年、もしくはもっと長い日数待たなければなりません。

しかし、患者の本音としては、船が沈むような時、この救命道具は100%安全とは言い切れないので、使用を認めていませんと言われても、そこは使わせて!というのが心情でした。
とにかく臨床試験や治験の結果を待ちたいと思います。

また、医療崩壊を防ぐという点についてですが、日々の感染者数のカウントも大事ですが臨床医の感覚としては、「重篤者をなるべく減らす事」ICUの使用度合いを減らす事が、医療崩壊をふせぐ重要なポイントになるというお話でした。

重篤まで悪化して人工呼吸器やECMOを使用しなくてはならなくなった場合、専門の医療従事者の人員が、かなり必要です。

世の中の病はコロナだけではありません。コロナ以外の病に向き合える臨床医や看護スタッフが減ってしまうのを避けなければ、他の原因で亡くなる方が増え医療崩壊が起きかねないという事だそうです。したがって、コロナに関しては、なるべく悪化する前に適正な治療を届ける事が肝要ではないかとおっしゃっていました。社会生活を元に戻す出口戦略を探るうえでも、感染者数だけではなく、重篤者数がポイントになってくるのではと思います。

コロナが怖く、厄介な病なのは確かです。しかし、病は、多かれ少なかれ怖いもの。闘い方がない訳ではないという事を、今回身をもって教えていただいた気がしました。

ただその闘い方ですが、冒頭に申し上げたように、医療従事者同士でさえ、他の病院との情報が風通しよく伝わっていない、ましてや世の中に、病気の全体像が届いているかは疑問です。

ですので、ここからは、少し専門的になりますが、日本の場合の今の治療方法を担当医の先生に監修していただいた上で、お伝え致します。

今回のコロナという病、まず感染初期から中期のウイルスが増殖する時期があります。いわゆる「ウイルス増殖期」です。この時期はウイルスをそれ以上増やさない効果を期待して使用する薬が、主に5つです。

それが、アビガン、プラケニル、カレトラ、オルベスコ、そして先日特例承認されたレムデシビル(商品名:ベクルリー)です。

その5種類の薬のどれかで症状が治まればよいのですが、悪化して、ウイルスが増えきった後、免疫がそれに対抗していく結果、「免疫暴走期」という状態に進行してしまう場合があります。よく言われているサイトカインストームの状態です。

この時期に入ってしまうと暴走する免疫を抑える効果を期待して、アクテムラや場合によってはステロイドを使用しているそうです。

アクテムラは、元々はリウマチの薬で、免疫を抑える効果があります。
ただ、免疫を抑えて暴走をおさめるという事は、当然免疫自体も落としてしまうので、使用するタイミングは難しく重要だそうです。

最近分かったコロナの悪化しやすい人の傾向に
1、喫煙者 2、高齢者 3、男性 4、持病のある人 5、肥満
というのがあるそうですが、最後の肥満に関しては、元々、脂肪細胞の中に、免疫を暴走させやすい因子があるので、それが原因かもしれないというお話でした。

さらに、この免疫暴走期には炎症によるものか、ウイルス自体かは判明していないそうですが、血栓が生じる場合があり、肺血栓、脳血栓などを引き起こすケースがあるそうです。それを避けるために、タンパク分解阻害剤でもあるフサンという、血液をサラサラにする薬やヘパリンという薬を使って対処しているそうです。

私のいた病院では、コロナは軽症、中等症、重症、重篤と4段階のカテゴリーで分類されていました。

簡単には、「重篤は人工呼吸器が必要な人」「重症は酸素吸入をする必要がある人」「中等症は両側に肺炎をおこしている人や少ない酸素吸入をする必要がある人」「軽症は主に咳や熱があり肺炎のない人(あってもごく軽いケース)」です。

このカテゴリーでいくと、最初の5つの薬は、軽症、中等症あたりまでに使用したほうが効果が得られやすい(ただしレムデシビル(ベクルリー)は日本ではまず重篤な人を優先して使用することになります)。
そこでおさまらず悪化してしまい、重症などになると、アクテムラなどを使って、なんとか重篤になるのを防ぐ。

というのが、ワクチンができるまで、また新たに効果のありそうな代行薬が見つかるまでの今の日本の臨床現場の最前線の闘い方だそうです。

ちなみに私の場合は中等症でしたので、アビガン、プラケニルを使用しました。
元々は軽症で自宅療養していましたが、中等症に進んで肺炎を起こしていましたので、入院して、投薬と抗生剤の点滴を行い、症状がおさまりました。1か月近く、部屋に閉じこもっていましたので、体力は落ちていますが、今はほぼ日常が戻ってきています。今しばらく病後の療養をする予定です。

未知の病ですので、人それぞれに受け止め方に、かなり温度差があります。
出来るだけ偏ったイメージが先行するのを防ぐためにも、病の輪郭を少しでも明らかにしたくて、罹患した場合の全体の流れをお伝えしました。同時に治療の情報の風通しが良くなる事を願っています。

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詳しく報告をされています。
現在のマスコミなどのメディアの状況がよくわかります。
ただ、東京大学の児玉教授の「厚生労働省にコネのある人は、(アビガンを)もうみんな飲んでます」発言についてが漏れていますね。



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