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クエスト不動産ブログ / Quest Blog.
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■不動産投資でカモられないようにする方法
スルガ銀行のデタラメな所業をきっかけに、業者が預金通帳や給与明細を偽造し、賃貸契約書まで捏造して客をダマしまくる実態が続々と明らかになりました。
スルガ銀は不正を続けられなくなり、一部業務停止処分を受けて1千億円規模の損失を計上しました。
同行を「地銀の優等生」とベタ褒めした金融庁は「反省」の弁を述べ、過熱する不動産投資向け融資に他の金融機関の視線も厳しくなったのです。
だが、私文書や公文書を偽造しまくる実行役で、不正融資を元手にボロ儲けする不動産業者にはほとんど何の沙汰もありませんでした。
スルガ銀の不正に関与した業者は、東京都内だけで軽く100社を超えるます。
その多くは国土交通省や東京都から宅地建物取引業の免許を与えられるが、業務改善命令が出たのは今春までに2社だけ。
多くは社名を変えるなどして、次の獲物を虎視眈々と狙っているのです。
国交省が悪徳業者を野放しにしている以上、当面は不動産市場の取引の公正さは望みようがありません。
素人は手をつけないほうがいい、というのが大前提となります。
それでもなお不動産投資への意欲が尽きないという方のために、悪徳業者の手口から学ぶ、最低限の「カモとならないための4カ条」を紹介いたします。
第一に、投資物件の価値は必ず自分の目と足で見極めましょう。
業者の言うことはあてにてはいけません。
「家賃保証」はその最たるものです。
契約書を交わそうが、破られて逃げられることはザラなのです。
空室となって家賃が入らなくなるリスクが不動産投資にあるように、業者の家賃保証には業者がバックレて家賃を払わなくなるリスクがつきものだと覚えておきましょう。
家賃保証があるのは、そうでもしないと売れないようなシロモノだからなのです。
原資は、顧客から得る利益の一部で、なければ価格はもっと安く済むはずです。
実際に「住みたい」という需要が見込め、家賃保証に頼らずとも空室になりにくく収益性も見込める物件であることを、自分の目と足で確かめることが何より大事となります。
価格の妥当性は、周囲で同じグレードの物件を複数見つけて比較しましょう。
家賃が、どれだけ得られるかの相場感覚も同様につかめるようになります。
第二に、コストとリスクをぜんぶ洗い出しましょう。
物件の購入や維持にともなうお金(=コスト)がどれだけあるか。
見込まれる家賃収入が減ったり、あとで出費が増えたりする可能性(=リスク)がどれだけあるか。
そうした収益の行方を厳しめに見積りましょう。
借金は額が多いほど、融資時の手数料や何年にも及ぶ利息などのコストも膨らむことになります。
金利上昇でもコストは増えるリスクもあります。
「自己資金ゼロ」で不動産を買うことは、コストとリスクを最大化させるようなものなのです。
中古マンションなら、中長期の修繕計画や管理組合の議事録などから、将来の維持費が膨らむ可能性を点検できます。
不動産情報サイトに掲載される周囲の空き物件数や募集賃料からも、空室リスクの大きさをある程度はうかがい知ることもできます。
第三に、迷ったら必ず引き返しましょう。
業者と顧客の間には、大きな「情報の非対称性」があります。
業者は、豊富な専門知識と情報を握り、知識の乏しい客を食いモノにします。
顧客には不利な情報を隠したまま、投資判断を迫られることも多いのです。
不審点を自分であぶり出すためにも、最低限の知識と嗅覚は備えておきましょう。
人当たりがよく、誠実そうに見える業者の中にも、平気でウソをつくワルが潜んでいます。
私でも見極めるのは難しい場合もあります。
提供される情報の真偽も一つずつ自分で見極めながら、物件の良し悪しを推し量りましょう。
前のめりにはならず、いつでも引き返せる余裕を持つことも大事です。
曖昧な説明には決して妥協せず、不安や疑問がすべて解消されるまでとことん突き詰めましょう。
雰囲気に流されてハンコをつくことだけは絶対に避けるようにしましょう。
第四に、身の丈に合った投資にとどめるましょう。
投資にはリスクがつきものです。
そう頭ではわかっていても、不動産投資の世界に踏み込むと、あまりに多くの人が大きすぎるリスク(=過大な借金)を背負い込んでいます。
業者が家賃を払わなくなる、多額の修繕費が発生する、思いどおりに空室が埋まらない……など、不動産の世界ではよくある事態が起きた途端、首が回らなくなってしまう人がここ数年のブームであまりに多く生み出されました。
多額の借金で過大なリスクを背負うのは、まるで自分の人生を家族の生活とともに賭けをするようなものです。
手にできるかどうかもわからない「富」に賭けるほど、価値の低い人生などあるはずがありません。
投資の目的が「老後の安定に向けた資産形成」にあるのなら、失敗しても自身の貯蓄がいくらか目減りし、泣いてやり過ごせる範囲をリスクの上限としましょう。
返し切れないほど、多額の借金は決してすべきではないのです。
最後に、将来の資産形成に向けて新たなリスクを背負うときには、親子や夫婦、信頼できる仲間とのコミュニケーションを密にすることも大事となります。
意見の不一致はあるとしても、投資の前提となる「データ」は、多くの目にさらすことでウソやごまかしを見破れる可能性が高まります。
投資を決める前に「手間」や「面倒」を惜しまずに努力することが、失敗して後悔するリスクを減らすための最大の武器となることも覚えておきましょう。
クエスト不動産経営管理(株) 石光良次