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スラムマンションに注意

2019/09/07

マンションの中には、スラムマンションもあるので、注意をしましょう。


分譲マンションでも、管理費・修繕積立金のない「スラムマンション」も存在しているのです。

「マンションは管理を買う」といわれるように、管理の行き届いたマンションは築年数のわりに新しく見えるうえに、共用部分もとても綺麗になっています。

ビル全体の水漏れなどのトラブルもなく快適で、区分所有として売り出されても、すぐに買いが入る人気物件になるというモノです。


この「管理の行き届いたマンション」は、管理組合主導のもと、区分所有者全員から毎月管理費・修繕積立金を徴収しています。

毎日の掃除から、何年かごとの内外壁塗装工事や屋上の防水工事を実施しています。


では、管理費・修繕積立金がないとはどういうことなのでしょうか? 

一棟丸ごと所有しているマンションなら、必要に応じて所有者が内外壁塗装工事や防水工事を実施するでしょうが、区分所有のマンションなら清掃の費用や共用部分の電球や蛍光灯の交換は誰がするのでしょうか?


マンションの広告などをよく見ると、ときどき「管理組合なし、管理費・修繕積立金なし」というものがあります。

「自主管理」などと記載されている場合もあります。

「うるさい管理組合や管理人もないし、管理費・修繕積立金もなくていいじゃないですか」と言う人もいます。

しかし、このような人は、自分が区分で買ったマンションの部屋で民泊をやっていて、人の出入りの問題や騒音などで管理組合から再三クレームや指導が入り、民泊をやりづらくなったうえに高い管理費を払いたくないような人もいます。

管理組合のないマンションの現場はどのようになっているでしょうか?

玄関入口のオートロックが故障していて、ドアが開けっ放しの場合もあります。

オートロックのパネル部分がほこりだらけになっていたり、掃除をされてない印象もあります。

入口エントランスの廊下にはゴミが散らばり、隅には大きなわたぼこりもあります。

共用部分の階段や廊下の蛍光灯は点滅してチカチカし、電球が黒く変色しているものもあります。

築年数が新しいわりに、古めかしい雰囲気で、廊下や階段部分もきれいな状態ではありません。


「管理人がいなくていいけれど、これじゃあな~」と言った第一印象となります。

このように、管理会社もなく管理費や修繕積立金もないマンションは、スラム化しやすいのです。


スラム化すると何が起こるかというと、無法地帯となって違法エステやオレオレ詐欺の事務所、高利金融会社の事務所、さらには暴力団の事務所などとしても使われてしまいます。


風俗や暴力団の事務所には200m規制もあり、大家さんもなかなか貸してくれないことも多いので、こうした管理人のいないマンションに誰かの名前を借りて入居して、いつの間にか暴力団の事務所にしてしまうのです。

共用部分の電気料を払わないと、貯水タンクに水を汲み上げて使うタイプの水道の場合は、電気が断たれるとポンプが働かず、水もストップしてしまいます。


また、建築基準法の鉄筋コンクリートの耐久基準は60年、国土交通省が目安とする大規模補修工事の実施周期は12年に1度です。

10~15年ごとに大規模修繕が行われていないと、外壁や屋上の防水機能が弱くなり、漏水が起こります。


鉄筋コンクリートは、鉄とコンクリートの相性が良く、強度を保っていますが、コンクリートの中に水が入れば鉄筋が錆びます。

鉄筋が錆びると2~3倍に膨張し、コンクリートを破壊していきます。そこから雨水がまわり、雨漏りマンションになってしまうのです。


エレベーターなどの設備も定期点検や部品交換をしないと事故につながり、人命にかかわってきます。

管理組合・管理人や管理会社の入っていないマンションは、やはり問題が多いです。

新しいうちはよくても、20年後、30年後には建物の老朽化とともに、問題満載のマンションになって行くのです。


これでは、資産価値は大きく目減りしてしまいます。

こうした管理組合や管理人のいないマンションでは、自主管理といって住民による「管理組合もどき」があり、最低限の掃除代や共用部の蛍光灯の交換代を集金して、何とか支払いをしているというのが現状です。

しかし、住民による管理組合もどきでは信用性がないので、支払ってくれる住民もあまりいないのです。


また、1年ごとに持ち回りで管理人を決めたりもしますが、皆さんなかなか忙しいわけですし、ヒマな人は高齢者だったり年金暮らしの方ですので、管理費等の集金ができるわけはありません。


では、「スラムマンション」回避の方法はあるでしょうか?

マンションを投資目的で買う場合には、とくに確認してほしいことがあります。

それは、マンション管理組合の修繕積立金の貯蓄残高と、何年前に大規模修繕工事をしたかを調べ、積立金のバランスを見ることです。

築年数の経過とともに修繕積立金の額は上がっていくため毎月の負担額が増えるうえに、修繕工事を控え工事代金が不足すると各区分所有者に追加の費用が請求されることになります。


また、修繕積立金の貯蓄が少ないどころか管理費の滞納額が多く管理費が赤字となっていて修繕積立金を食いつぶしている場合もあります。

マンションの経理上赤字が続くと、管理会社は逃げ出していきます。

そうなれば、無管理マンションとなり、スラム化していくというわけです。


管理費は「定期給付債権」といって5年という短期間で時効になります。

そのため、のんびりした管理会社では、いつのまにか5年がたって管理費を徴収できなくなり、スラムマンションになってしまうのです。


管理費や修繕積立金の滞納者に対する早急な対応ができない管理会社なら、管理会社を変更するべきかもしれません。



クエスト不動産経営管理(株) 石光良次


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