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新型コロナウイルス感染症に対するアビガン承認に向けて 4-2(白木公康さん)

2020/11/24

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 -日本医事新報社- 2020年10月27日記事

『緊急寄稿(4)新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するアビガン承認に向けて(白木公康) 』


https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=15763   >



2. COVID-19に有効である薬理学的根拠

既存薬は,服薬時の血中薬剤濃度〔最高濃度(Cmax)や最低濃度(トラフ濃度)〕などの薬効解析に必要な情報が既にあるので,新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対する抗ウイルス活性の濃度が分かれば,治療効果の判断ができる。すなわち,抗ウイルス活性を示す濃度が服薬時の血中最低濃度以下であれば,1日中薬剤の血中濃度は薬効を示す濃度を確保していることになるので,COVID-19に対する有効性が期待できる。


中国はCOVID-19に対して,国を挙げて対策に取り組んだ。まず,7万以上の薬物または化合物のコンピューターシミュレーションと酵素活性試験を通じて,5000の薬物候補を選択した。従来のコロナウイルスに対して細胞レベルでテストし,約100の薬物を選択し,最終的に,抗マラリア薬クロロキン,抗インフルエンザ薬ファビピラビル,エボラ出血熱に使用されたレムデシビルの3剤に絞った2)。Wangらは,標準的抗RNAウイルス薬リバビリン3)を抗SARS-CoV-2活性の陽性対照として,抗SARS-CoV-2活性の測定を行った。ファビピラビルのインフルエンザ治療量服用時の血中濃度は240~380μMなので,10~400μMで活性を測定したところ,EC50が61.88μMであった(図2)。そのため,インフルエンザの投与量でCOVID-19の治療に有効なファビピラビルの血中濃度が1日中維持できると推測して,中国で臨床試験が実施された。

一方,我が国の国立感染症研究所は抗SARS-CoV-2活性について,ファビピラビル等の競合作用のある核酸誘導体では標準的なプラック減少法を用いず,薬効発現に100~1000倍濃度が必要な増殖抑制法を用い,ファビピラビルのインフルエンザ治療量服用時の血中最低濃度240μMにも満たない64μMまでしか測定していない4)。この結果によって,わが国では「ファビピラビルが新型コロナウイルスに有効でない」という間違った情報が流布されたことは残念である。

ちなみに,Wangらの報告2)によると,クロロキンのEC50が1.13μMで,300mg投与の最高血中濃度は1.47μM5)となり,関節リウマチ治療量の500mgの投与で,COVID-19に有効な可能性があるとした。この情報に基づき,世界各地で,COVID-19に対してクロロキンが使用された。血中動態を参考として,候補薬を見出した点で影響の大きな論文であると思う。


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4-3に続く



クエスト不動産経営管理(株) 石光良次


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